俺様富豪と甘く危険な恋
「……ダニエルさん、他のケガは……大丈夫だったんですか？」

「車の事故ですからそれなりにケガはしましたが、今はほとんど完治しています」

「……よかった」

「ミズノさんの以前の部屋は私が使っているので、メイド室をお使いください」


以前の部屋は蓮の寝室の隣だ。


「このソファで十分です」

「ですが、シャワーぐらいは使いたいでしょう？　遠慮せずにどうぞ。ただ……レンさまは音に敏感になっておられるので、お休みを妨げないよう早い時間のご利用をお願いいたします」

「わかりました。では使わせていただきます」

「食事は別々でお願いします。のちほど声をかけますので」


栞南はがらりと変わってしまった蓮の生活に胸を痛めながら小さく頷いた。


（食事も別……）


食べるところを見られたくないのだろうけど、蓮のかたくなな心はもう自分ではどうしようもないのだろうか、と栞南はがっくりしながら洗濯室の奥のメイド室に入った。

メイド室の簡易シングルベッドは清潔なシーツと上掛けが用意されていた。ベッドの端に足の力がなくなってしまったようにドサッと腰を下ろす。



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