俺様富豪と甘く危険な恋
「レン、どうして彼に?」
「俺はお前の魔法使いだからな」
意味不明の言葉に小首を傾げる栞南だ。
(目が見えないのに……)
蓮の行動に戸惑いながら友人と話をしていた孝太郎に近づくと、隣に新婦はいなかった。少し離れたところで、友人たちと話をしていた。
「水野さん、そちらは?」
孝太郎は怪訝そうに栞南の隣にいる蓮を見る。
「彼女の婚約者の朝日奈蓮です。本日はおめでとうございます」
蓮が堂々と孝太郎に挨拶をすると、すかさず後ろにいたダニエルが名刺を差し出す。
名刺を手にした孝太郎は蓮の肩書や所在地を見て、ギョッとなり言葉が出てこないようだった。
そして栞南も蓮が婚約者と言ったことに驚いていた。
しかし孝太郎の驚く顔を見ただけで、彼に与えられた屈辱感がスッとなくなった。
「孝太郎、お幸せに」
栞南はにっこり孝太郎に告げると、蓮の腕を取り出口へ歩き始めた。半年間歩行訓練をしていたのだろう。蓮の足取りは確かなものだ。
「栞南! 引き出物!」
出口へ向かう栞南の背後から美羽が声をかけられ、忘れ物をしていたことに気づく。
「俺はお前の魔法使いだからな」
意味不明の言葉に小首を傾げる栞南だ。
(目が見えないのに……)
蓮の行動に戸惑いながら友人と話をしていた孝太郎に近づくと、隣に新婦はいなかった。少し離れたところで、友人たちと話をしていた。
「水野さん、そちらは?」
孝太郎は怪訝そうに栞南の隣にいる蓮を見る。
「彼女の婚約者の朝日奈蓮です。本日はおめでとうございます」
蓮が堂々と孝太郎に挨拶をすると、すかさず後ろにいたダニエルが名刺を差し出す。
名刺を手にした孝太郎は蓮の肩書や所在地を見て、ギョッとなり言葉が出てこないようだった。
そして栞南も蓮が婚約者と言ったことに驚いていた。
しかし孝太郎の驚く顔を見ただけで、彼に与えられた屈辱感がスッとなくなった。
「孝太郎、お幸せに」
栞南はにっこり孝太郎に告げると、蓮の腕を取り出口へ歩き始めた。半年間歩行訓練をしていたのだろう。蓮の足取りは確かなものだ。
「栞南! 引き出物!」
出口へ向かう栞南の背後から美羽が声をかけられ、忘れ物をしていたことに気づく。