俺様富豪と甘く危険な恋
◇第2章◇
隠れ家へ移動
眠らない街、香港。
真夜中なのに人通りは多い。
乱暴な運転の赤いタクシーを何台も追い抜きながら、蓮はBMWを巧みなハンドルさばきで九龍島から香港島へつながるヴィクトリア・ハーバーの海底トンネルを走っていた。
海底トンネルは東京湾トンネルに似ており、日本にいるような錯覚をしてしまいそうな栞南だった。
時刻は24時を回っていた。
数時間前、蓮に「俺がお前を守ってやる」と言われ、ようやく放心状態から普通に戻った栞南はルームサービスの豪華な食事を食べさせられ、ダニエルに右手の傷に絆創膏を貼られた。
お腹も空いていたのだろう。満たされると栞南はまた蓮を疑り始めていた。
蓮は身分を証明するためにノートパソコンを開いて栞南に「朝日奈(アサヒナ)蓮」の名前を検索するよう言った。
朝日奈蓮の名前は日本では1件しかヒットしなくて、栞南の疑惑はさらに深まったが、海外のサイトにアクセスすると、蓮の写真入りの記事などが読み切れないほど出てきた。
(ようするにこの人は海外で仕事をする宝石商で、日本と香港のハーフなんだ。だからなんとなく無国籍の雰囲気があるのかな)
真夜中なのに人通りは多い。
乱暴な運転の赤いタクシーを何台も追い抜きながら、蓮はBMWを巧みなハンドルさばきで九龍島から香港島へつながるヴィクトリア・ハーバーの海底トンネルを走っていた。
海底トンネルは東京湾トンネルに似ており、日本にいるような錯覚をしてしまいそうな栞南だった。
時刻は24時を回っていた。
数時間前、蓮に「俺がお前を守ってやる」と言われ、ようやく放心状態から普通に戻った栞南はルームサービスの豪華な食事を食べさせられ、ダニエルに右手の傷に絆創膏を貼られた。
お腹も空いていたのだろう。満たされると栞南はまた蓮を疑り始めていた。
蓮は身分を証明するためにノートパソコンを開いて栞南に「朝日奈(アサヒナ)蓮」の名前を検索するよう言った。
朝日奈蓮の名前は日本では1件しかヒットしなくて、栞南の疑惑はさらに深まったが、海外のサイトにアクセスすると、蓮の写真入りの記事などが読み切れないほど出てきた。
(ようするにこの人は海外で仕事をする宝石商で、日本と香港のハーフなんだ。だからなんとなく無国籍の雰囲気があるのかな)