俺様富豪と甘く危険な恋
「あの、ボディーガードと離れちゃって大丈夫なんですか? 襲撃されたらどうするんですかっ?」
後部座席の真ん中に座っている栞南は運転席と助手席に背に腕を置き、身を乗り出すようにして不安を口にした。
「ねえ! 朝日奈さんっ! これからどこへ行くんですか?」
栞南が聞いているのに、ステアリングを握って巧みな運転を続ける蓮は前をみたまま答えない。
「朝日奈さんったらっ! 教えてくれてもいいでしょう?」
栞南は自分がウザいキャラになっているのは分かっている。だが、外に出た途端、身を狙われているようで怖くて落ち着かないのだ。
バックミラーに映る蓮の整った顔を見ると、いささかうんざりした様子。それでも、栞南は声をかけられずにはいられない。
「朝日奈さん!」
蓮は赤信号でブレーキをかけ、栞南の方を振り返る。
蓮は身を乗り出す栞南の額に人差し指を当てて軽く押す。
「黙って座ってろ。ボディーガードも近くにいる。それにわざわざ見つかりたいのか? 身を低くしてろよ」
額を押された栞南はふらつき、後部座席に腰を降ろす。
特に押された額が痛いわけではなかったが、そこだけ熱を持った気がして、栞南は額を指で擦った。
後部座席の真ん中に座っている栞南は運転席と助手席に背に腕を置き、身を乗り出すようにして不安を口にした。
「ねえ! 朝日奈さんっ! これからどこへ行くんですか?」
栞南が聞いているのに、ステアリングを握って巧みな運転を続ける蓮は前をみたまま答えない。
「朝日奈さんったらっ! 教えてくれてもいいでしょう?」
栞南は自分がウザいキャラになっているのは分かっている。だが、外に出た途端、身を狙われているようで怖くて落ち着かないのだ。
バックミラーに映る蓮の整った顔を見ると、いささかうんざりした様子。それでも、栞南は声をかけられずにはいられない。
「朝日奈さん!」
蓮は赤信号でブレーキをかけ、栞南の方を振り返る。
蓮は身を乗り出す栞南の額に人差し指を当てて軽く押す。
「黙って座ってろ。ボディーガードも近くにいる。それにわざわざ見つかりたいのか? 身を低くしてろよ」
額を押された栞南はふらつき、後部座席に腰を降ろす。
特に押された額が痛いわけではなかったが、そこだけ熱を持った気がして、栞南は額を指で擦った。