俺様富豪と甘く危険な恋
(眠れたらどれだけ楽になるだろう……)


車内のデジタル時計は深夜2時になったところでポルシェは建物の中へ入って行った。


地下駐車場の入口を通り過ぎ、蓮はエレベーターの近くのスペースに停めた。


「着いたぞ。降りろ」


(言われなくてもおりますよ)


助手席側のドアが勝手に開いた。蓮が開けたのかと思ったが、ダニエルだった。


(付いて来なかったのにどうして?)


不思議に思いながらポルシェを降りる。もうひとりのボディーガードはエレベーターの前に立ち、ドアを開かせっぱなしにしている。


「こちらです」


蓮を見るとすでにエレベーターに乗り込んでいる。離れて見ても蓮のスーツ姿は妖しく危険な雰囲気がある。

ダニエルに誘導されて栞南もエレベーターに乗り込んだ。

3人を運ぶエレベーターは12階のフロアで止まった。

そこにも黒服を着たボディーガードが立っていて、栞南は一瞬ドキッとした。


(体格が良くて、ちょっと人相が悪いから、パッと見るとびっくりしちゃう)


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