俺様富豪と甘く危険な恋
(どうしてだろう? 私は朝日奈さんに依存しすぎているのかな……)


残りの食事をとっていると、蓮が退席し数分後、スーツの上着を1分の隙もなく着こなし現れた。


「ぶっ倒れないよう、寝ておけ」


栞南の手元に携帯が置かれる。


「電話をかけたら、携帯はトニーに渡すんだ。いいな?」


それだけ言うと、ボディーガードひとりとダニエルを連れて出て行った。

この部屋に残されたボディーガードはトニーを入れて4人。全員がソファに座りひとりひとりパソコンに向かっている。

黒い集団でなんとなく近寄りがたく、栞南は急いで食事をすませると、食器をキッチンに運んだ。

食器洗い機があるようだが、使い方が分からず、シンクの中の食器を洗い始める。

与えられた自分の部屋に戻った栞南はベッドの上に腰を下ろすと、会社に電話をかける。

嘘をつかなければならないことで、栞南の心臓はドキドキと不規則に暴れていた。食品管理部の課長に電話が回り、蓮に言われた通り日本へ帰れないことを説明した。

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