俺様富豪と甘く危険な恋
（別れてショックだったけれど、今考えるとそれほど好きじゃなかったのかも。付き合った時間がもったいないなんて普通はかんがえないはずだから……）


やることもないし、今日一日どうしようかと、ベッドでゴロゴロしていた。

体力を使うわけじゃないから食欲もない。

昼食も少し手をつけただけで部屋に戻り、しばらくしてから気分転換にパソコンの電源を入れて日本のニュースなどを見ていた。

そこへ、突然けたたましいベルの音がどこからか聞こえてきた。

栞南は大きなジリジリジリ……と鳴るベルにビクッと肩をこわばらせた。と、同時にトニーがノックもせずに部屋に入ってくる。


「こちらへ！」


栞南の手を掴むと、リビングを横切る。

他のボディーガードたちは携帯で電話をかけている者や、パソコンの画面を操作していた。

その間もベルの音は耳が痛くなるくらい鳴り続いている。


「どうしたんですか！？」


栞南はトニーに聞こえるように大声になる。



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