俺様富豪と甘く危険な恋
「その手下でしょう。火事もおびき寄せる罠だったようです。ごみ置き場が放火されています」
「私がここにいると知られていたんですね?」
(怖い……この場所はバレていないと思ってた……)
栞南は神経質に辺りを見回すが、トニーに視界を遮られ歩かされる。
「戻りましょう」
「でも、あそこはもうバレているんでしょう? 大丈夫じゃない……」
「とにかくここに居ては危険です」
トニーに諭され、まだ震える脚でふらふらと部屋に戻った栞南だった。
******
栞南が襲われた報告をトニーから受けた蓮は携帯を切ると、デスクチェアに背をあずけた。
それから疲れたように両方のこめかみを揉む。
「連中が誘拐目的だったことが救いでしたね。羽交い絞めにしたのなら殺すことも出来たはずです」
デスクの前に立つダニエルは疲れた表情の蓮を気遣う。
「まだ奴らはブルーダイヤをあきらめていないらしい。おそらく中東あたりの大富豪に売ったんだろうな」
「彼女の命をブルーダイヤの取引に使おうとしたんでしょう」
蓮はおもむろに立ち上がると、スーツの上着を手にした。
「私がここにいると知られていたんですね?」
(怖い……この場所はバレていないと思ってた……)
栞南は神経質に辺りを見回すが、トニーに視界を遮られ歩かされる。
「戻りましょう」
「でも、あそこはもうバレているんでしょう? 大丈夫じゃない……」
「とにかくここに居ては危険です」
トニーに諭され、まだ震える脚でふらふらと部屋に戻った栞南だった。
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栞南が襲われた報告をトニーから受けた蓮は携帯を切ると、デスクチェアに背をあずけた。
それから疲れたように両方のこめかみを揉む。
「連中が誘拐目的だったことが救いでしたね。羽交い絞めにしたのなら殺すことも出来たはずです」
デスクの前に立つダニエルは疲れた表情の蓮を気遣う。
「まだ奴らはブルーダイヤをあきらめていないらしい。おそらく中東あたりの大富豪に売ったんだろうな」
「彼女の命をブルーダイヤの取引に使おうとしたんでしょう」
蓮はおもむろに立ち上がると、スーツの上着を手にした。