俺様富豪と甘く危険な恋
オフィスは海外の一流企業などが入っている中環のビルの中にある。

地下駐車場に下りた蓮はボディーガードたちが待つベンツに近づく。その後ろには蓮のビジネスバッグを持ったダニエルが続く。

蓮とダニエルが乗りこみ、ボディーガードが運転するベンツが動き出す。

後方からボディーガードが２人乗ったベンツもぴったりと走り始める。

くねくねとした山道を走り、オフィスを出た時にはまだ薄明るかった空も日が落ち、２０分ほどでタワーマンションへ到着したときには夜空に変わっていた。





蓮とダニエルが広い玄関に入ると、トニーが待っており頭を深く下げて謝る。


「レン様の指示に応えられず、すみませんでした」


蓮に指示を仰いだ時、細心の注意を払えと言われていたのだ。

男が景色を見ている栞南に近づくのを見たトニーは肝を冷やした。


「終わったことだ。だが次は死ぬかもしれない。彼女を守ってやってほしい」


蓮は気落ちするトニーの肩に手を置いた。



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