俺様富豪と甘く危険な恋
「彼女は?」
「部屋に入ったきりです。今日は朝から食欲がなさそうで、ほとんど口にしていません」
蓮はスーツの上着の袖をずらして、腕時計を見る。あと1時間ほどで夕食の時間だ。
「ダニエル、食事の用意を頼む」
それだけ告げると蓮は着替えに部屋へ。
ベッドに寝っころがっていた栞南の耳に複数の男性の声が聞こえてきた。
(また何かあったのかな……)
そう思うものの、起き上がる気持ちがない。でも、目も瞑れない。目を閉じると自分を睨むあの男の顔が鮮明に甦るのだ。そうなると首を絞められた時が思い出され呼吸が苦しくなる。
布団にくるまり、この状態からどうにか出なきゃと思いながらも動けないでいると、ドアが叩かれ誰かが入ってきた。
「返事があるまで入ってこないでください」
入ってきた人物を見ようともせず言った。今日の蓮も遅い帰宅だと聞いていたから、トニーだと思っていた。
「俺は返事を待つのが嫌いなもんでね」
思いがけない蓮の声に栞南は驚いて、布団から顔だけ出す。
「部屋に入ったきりです。今日は朝から食欲がなさそうで、ほとんど口にしていません」
蓮はスーツの上着の袖をずらして、腕時計を見る。あと1時間ほどで夕食の時間だ。
「ダニエル、食事の用意を頼む」
それだけ告げると蓮は着替えに部屋へ。
ベッドに寝っころがっていた栞南の耳に複数の男性の声が聞こえてきた。
(また何かあったのかな……)
そう思うものの、起き上がる気持ちがない。でも、目も瞑れない。目を閉じると自分を睨むあの男の顔が鮮明に甦るのだ。そうなると首を絞められた時が思い出され呼吸が苦しくなる。
布団にくるまり、この状態からどうにか出なきゃと思いながらも動けないでいると、ドアが叩かれ誰かが入ってきた。
「返事があるまで入ってこないでください」
入ってきた人物を見ようともせず言った。今日の蓮も遅い帰宅だと聞いていたから、トニーだと思っていた。
「俺は返事を待つのが嫌いなもんでね」
思いがけない蓮の声に栞南は驚いて、布団から顔だけ出す。