俺様富豪と甘く危険な恋
歩き進めると今ふたりがいる九龍島と向こう側の香港島の間を就航しているスター・フェリー乗り場を右手に見て通り過ぎる。
行き交う人々はスマホやカメラを手にしており観光客ばかりだ。
ヴィクトリア・ハーバーの絵ハガキなどでよく見る景色が目に飛び込んできて栞南は感嘆の声を上げた。
ホテルの部屋から遠目に見てはいたが、近くでみるとやはり圧巻で、ずっと見ていたくなる。
昼間でもそうなのだから、ビル群のライトが美しい夜はもっとそう思うだろう。
今の日本の季節はコートが必要な真冬。
ここ香港の平均20度前後。軽装で歩き回れ、そよそよとした風が気持ちいい。
「香港ってステキなところだね。ここで働ける彩の恋人が羨ましいよ」
「まあね。早く日本に戻ってきてほしいんだけど、あと数年は無理みたい」
栞南とは正反対に、見慣れた景色を気にも留めずさっさと目的地に向かう彩。
ゆっくり見られないことにがっかりしながら栞南は少し足を速める。
「ここよ」
少し歩いたのち、彩が立ち止って店を指さす。その店の名前に栞南は瞳を輝かせる。
ガイドブックに載っており、行きたいと思っていたところだった。
行き交う人々はスマホやカメラを手にしており観光客ばかりだ。
ヴィクトリア・ハーバーの絵ハガキなどでよく見る景色が目に飛び込んできて栞南は感嘆の声を上げた。
ホテルの部屋から遠目に見てはいたが、近くでみるとやはり圧巻で、ずっと見ていたくなる。
昼間でもそうなのだから、ビル群のライトが美しい夜はもっとそう思うだろう。
今の日本の季節はコートが必要な真冬。
ここ香港の平均20度前後。軽装で歩き回れ、そよそよとした風が気持ちいい。
「香港ってステキなところだね。ここで働ける彩の恋人が羨ましいよ」
「まあね。早く日本に戻ってきてほしいんだけど、あと数年は無理みたい」
栞南とは正反対に、見慣れた景色を気にも留めずさっさと目的地に向かう彩。
ゆっくり見られないことにがっかりしながら栞南は少し足を速める。
「ここよ」
少し歩いたのち、彩が立ち止って店を指さす。その店の名前に栞南は瞳を輝かせる。
ガイドブックに載っており、行きたいと思っていたところだった。