俺様富豪と甘く危険な恋
赤ワインを4杯飲んでいるのに、胃に食べ物が入ったせいか、それとも高級なお酒のせいなのか、栞南は酔えないでいた。


「朝日奈さん、もっと強いお酒もらえませんか?」

「わかった。用意しよう。ソファに座ってろ」


ダイニングテーブルの上の片づけをしていたダニエルが「私が用意しましょう」と言うのを、蓮は断り自らバーカウンターからスコッチと氷を用意した。

昼間、リビングのローテーブルの上はボディーガードたちのパソコンが数台置かれていたが、今はさっぱりきれいに無くなっている。彼らの姿も見えない。


(彼らはどこで寝泊まりをしているの?)


そんなことを考えていると、スコッチと氷の入ったグラスが目の前に置かれた。

昼間なら外の美しい景色が楽しめる窓はオフホワイトのカーテンが引かれている。

ソファの下、フローリングの上のラグにペタンと座っている栞南はグラスを持った。


「いただきます」


一気に煽るように飲む。

氷がカランと音をたててグラスが置くときには、喉が焼けるように熱くなり、すぐに胃がかぁーっとなる。

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