俺様富豪と甘く危険な恋
「シャワー浴びよう」


バスルームでブラウスを脱ごうとすると、鎖骨の辺りに少し引き攣れた違和感。そこに手をやると何かが貼られている。


「絆創膏……? ええっ!?」


バスルームの鏡で確認してみると、栞南が面倒でなにもしなかった傷に絆創膏が貼られていた。


「どうして? 誰が? ええっ!?」


ブラウスをずらさないと見えない場所だ。


(もしかして、ひとりで部屋に戻ったんじゃなくて、朝日奈さんに連れてきてもらった?)


まったく記憶がぶっ飛んでる。でも、なにも覚えていないのだから、そうと考えるのが妥当である。そう思った栞南の顔がみるみるうちに赤くなっていく。


「やだ、恥ずかしいっ!」


自分がバージンだと暴露したわけだが、栞南はまったく覚えていなかった。


「もうお酒飲まないっ! 絶対に飲まないんだから!」


たくさん飲んだつもりはないが、泥酔したところをみると、栞南が酒に弱いのもあるが、アルコールの度数が強かったのだろう。


蓮にもっとゆっくり飲めよと、止められたことはなんとなく覚えている。


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