俺様富豪と甘く危険な恋
栞南は絆創膏の上から指で撫でる。痛みはまったくない。
単なる引っかき傷だからと、そのままにしていた栞南だが、蓮の優しい意外な一面を見てしまった。いや、体験か?
彼の優しさが嬉しかったが、その反面無防備な自分になんの欲望も覚えなかった蓮にがっかりしている。
(えっ……がっかり……? ううん。なにかされちゃったりした? いや、そんなことないか……)
そう思う自分の気持ちに驚く。
(私……)
栞南は蓮にどんどん惹かれていくのを感じていた。
「だめだめ! とっかえひっかえ女性がいる人なんて好きになっちゃだめ!」
自分とは住む世界が違う人だ。無事に日本に帰ったら、もう二度と合わない。そう考えると、栞南の心臓はきゅんと切なくなり、泣きたくなった。
昨晩の自分がどんなことを言って、どんなことをしたのかわからないから、部屋を出るのは勇気がいる。
時刻は9時を回っているから、蓮はいないだろう。
トニーとボディーガードたちしかいないはずだから、いつもと同じ朝だ。気持ちを引き締め、平静を装って栞南は部屋を出た。
単なる引っかき傷だからと、そのままにしていた栞南だが、蓮の優しい意外な一面を見てしまった。いや、体験か?
彼の優しさが嬉しかったが、その反面無防備な自分になんの欲望も覚えなかった蓮にがっかりしている。
(えっ……がっかり……? ううん。なにかされちゃったりした? いや、そんなことないか……)
そう思う自分の気持ちに驚く。
(私……)
栞南は蓮にどんどん惹かれていくのを感じていた。
「だめだめ! とっかえひっかえ女性がいる人なんて好きになっちゃだめ!」
自分とは住む世界が違う人だ。無事に日本に帰ったら、もう二度と合わない。そう考えると、栞南の心臓はきゅんと切なくなり、泣きたくなった。
昨晩の自分がどんなことを言って、どんなことをしたのかわからないから、部屋を出るのは勇気がいる。
時刻は9時を回っているから、蓮はいないだろう。
トニーとボディーガードたちしかいないはずだから、いつもと同じ朝だ。気持ちを引き締め、平静を装って栞南は部屋を出た。