俺様富豪と甘く危険な恋
ダニエルの運転する車はブランド店が集中する通りを走り、有名なアルマーニの店舗の前に停められた。

まさか降りるとは思っていない栞南は道を歩く人々を見ている。

ダニエルと助手席に座っていたトニーが車から降りた。ふたりが車から降りてしまい、栞南は不安になる。


「ダニエルさん、すぐに戻ってきますよね?」


隣の蓮に聞くが、「お前も降りるんだ」と言われてビクッとなる。


「外に出たら危ないじゃないですかっ! 私、狙われているんですよ?」

「そんなことは十分承知している。だから降りろ」

「嫌ですっ!」


栞南は口をへの字にさせて首を横に振る。


「ならひとりでここに置いていくぞ?」

「そんなぁっ、嘘ですよね?」

「俺はここに用があるんだ。行かないのなら車に居てもいいんだぞ?」


さあ、どうする?と挑戦的な笑みを浮かべる蓮。


「……行きます」


アルマーニで買い物するなら私がいなくてもいいのにと、ブツブツ呟きながら高級な革の匂いのするシートから離れた。

蓮も反対側から降りて合流すると、大きなガラスのドアに腕を取られ向かう。



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