俺様富豪と甘く危険な恋
お姫様待遇に
「次は化粧だ」
蓮は栞南の手を取ると、化粧品のエリアに向かう。
そこにはスーツを着た中性的な雰囲気を持った白人男性が待っており、栞南をスツールに座らせると、さっそく前髪をピンで留め、下地から施し始める。
その間だけ蓮は栞南から離れ、ソファに座り電話している。
(高級ブランド店を貸し切りにしちゃう朝日奈さんって、すごい人なんだ……)
改めて蓮と自分の世界が違うことを思い知らされる。
光沢のある赤いルージュを塗られ、最後にフルーティーな香りのするフレグランスをシュッと吹き付けた白人男性は「OK!」と言い、栞南から離れる。
化粧中は鏡で顔を見られなく、手鏡を渡されると栞南はポカンと口を開けた。
「これが私……?」
くっきり引かれたアイライナーに割と平らな印象の顔は彫が深くなった。
真紅のルージュの唇はどこか官能的でこれは自分じゃないと疑う。
髪も元の髪型を生かし、ふんわりと内側に巻かれている。
「似合わないこともないが、化粧が濃すぎるな。お前らしさが消された」
蓮の声がして鏡を少し動かすと、黒曜石の瞳と目が合う。
蓮は栞南の手を取ると、化粧品のエリアに向かう。
そこにはスーツを着た中性的な雰囲気を持った白人男性が待っており、栞南をスツールに座らせると、さっそく前髪をピンで留め、下地から施し始める。
その間だけ蓮は栞南から離れ、ソファに座り電話している。
(高級ブランド店を貸し切りにしちゃう朝日奈さんって、すごい人なんだ……)
改めて蓮と自分の世界が違うことを思い知らされる。
光沢のある赤いルージュを塗られ、最後にフルーティーな香りのするフレグランスをシュッと吹き付けた白人男性は「OK!」と言い、栞南から離れる。
化粧中は鏡で顔を見られなく、手鏡を渡されると栞南はポカンと口を開けた。
「これが私……?」
くっきり引かれたアイライナーに割と平らな印象の顔は彫が深くなった。
真紅のルージュの唇はどこか官能的でこれは自分じゃないと疑う。
髪も元の髪型を生かし、ふんわりと内側に巻かれている。
「似合わないこともないが、化粧が濃すぎるな。お前らしさが消された」
蓮の声がして鏡を少し動かすと、黒曜石の瞳と目が合う。