愛され姫様!?~イケメン5人の王子様に囲まれて~
「それに…兄様も私を可愛がってくれた。父から愛情もなにももらえなかった私に兄様は本当の父のように接してくれた。私の父は兄様なの…。それしか認めない。」
華南椰の瞳は涙でいっぱいだった。
「あの…お母様は…?」
「母は一族の裏切り者として追い出されたわ…。私を連れて逃げるように…だけど一族はそれさえも許さなかった…。おかしい話よね。自分の娘をおいていけなんて。本当…笑っちゃうわ……。」
そういった華南椰は静かに涙を流した。
「…血のつながりのない私を一族に置くなんて……でもそれは祖母が言った言葉だったというのを後から知ったの。私は一族に必要な人間だと…祖母が言ってくれた…。だけどその祖母ももういない…。」
「亡くなった…の?」
私が聞くと華南椰ちゃんは静かに頷いた。
「…そうよ。5年前の冬…。この国で史上初の大雪の日にね…。不謹慎だけどとても綺麗な死に顔だった…。この世で一番美しいかったわ……。」