君のとなりで。
「コーヒー2つと、チーズケーキ…」

不貞腐れたようにコーヒーを頼んだ望月に、俺は笑ってしまう。

そこでふと、思っていることを口にした。

「なんでお前って、学校ではいい子の振りしてんの?」

何となく聞いただけなのだが、
キッと睨まれた。

「振りじゃなくて、いい子なの」

「いや、今更信じられないわ。てか、自分で言うかそれ。」

「うるさいなー…」

ここで話は終わったのかとおもったが、
小さな声で呟いた。

「独りが…怖いから。」

意外な言葉だった。

「っ、」

「コーヒーとチーズケーキですです。」

このタイミングで来るか普通。

内心毒づきながらもコーヒーに口をつける。

「にっ…が」

一口飲んで顔を歪める望月。

「あげる」

「は?」

俺に有無を言わさず、
違う飲み物を頼み始める望月。

俺も、コーヒー苦手なんだけど。



そう思いつつ、話の続きを聞くタイミングを逃した俺はちびちびコーヒーを飲んでいた。
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