キラキラDAYS
店の外に出ると、彼がガードレールに座って待っていてくれていた。
よかった…。
「すみません、お待たせしてしまって」
「いや、大丈夫。まだ他の奴らきてないし」
他の奴ら…いつも一緒にいる二人のことだよね。
そういえば電話しながら何処かに行っちゃったんだっけ。
…って、そんなこと考えてる場合じゃなかったね。
私はその場にしゃがみ込み、買い物した袋から買ったばかりの消毒液と絆創膏、そして湿布と包帯を取り出した。
「何してんの?」
彼が不思議そうに私を見る。
お節介かもしれない。
迷惑かもしれない。
けれど、いてもたってもいられなかったから。
「えと…右手に怪我してるのが見えたので、迷惑かもしれないんですけど…その…手当させてもらってもいいですか…?」
断られるのが怖くて俯いたままでいると、スッと私の前に手が差し出された。
え……?
「よく気づいたな。正直いうとちょっと痛くてヤバかったんだよ」
そう言って彼は「サンキュ」という言葉とともに、笑顔を私に向けてくれたんだ。
彼の笑顔をみると心が温かくなって、まるで心の中に陽だまりができたような気持ちになる。
差し出された手にそっと触れると、また胸がドキドキと音をたてた。
聞きたいと思っていた彼の声は、思っていたより少し低くて。
映りたいと思っていた彼の目に、私がいて。
触れたいと思っていた彼の体温に、今、触れている。