キラキラDAYS



叶えたかったことが、一度に叶ってしまった。


幸せすぎて、罰があたりそう。




「どうした?」


「あ、いえ!すぐに手当てしますから」




鈍臭くてドジな私だけど、こういう手当てだけは得意だったりする。


弟がサッカーで幼い頃からたくさん怪我をしていたから、テーピングや手当をしているうちにできるようになった。



お父さんの知り合いにトレーナーの方がいて、その人に教わったりして。



だから少しだけ自信がある。





「この怪我、どうしたんですか?」


「あー、俺サッカー部なんだけどさ」




知ってるよ。


でもそれは黙っておこう。




「昨日の試合で相手にスパイクで踏まれてこうなっちった」




はははって軽く笑ってるけど、笑ってる場合じゃないよ!


これ、絶対すごく痛い。


なんでこんなヒドイ怪我を放っておいたの…。



湿布を貼って包帯を巻きつけたら、手当ては終わり。




「無理しないでくださいね?」


「おう!ありがとな」



明るく笑う彼に、私は苦笑い。


ホントに大丈夫かなぁ…?

心配…。




「手当うまいね」



そういった彼に私はその理由を言うと、彼はまた「すげぇ!」って笑った。



ほんと、よく笑う人だなぁ。


こっちまで笑顔になれる。



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