キラキラDAYS



あまりじーっと見ていると視線で気づかれてしまうから、横目で彼を見る。



……私、ストーカーみたい。




本当は、堂々と彼を見つめていられる関係になりたいのだけれど…。



私は彼のことを何も知らないから。


知っているのは、彼の学校とサッカー部だということだけ。


でもそれは制服を見れば誰だって分かることだし、サッカーをやっているっていうのも、彼らが背負っているリュックで分かったこと。




もっと、近づきたいのに。

他の人が知らない彼を知りたいのに。





『まもなく、□□駅行き下り列車がまいります。危ないですから後に下がって……』




ホームに響く、時間の終わりを告げるアナウンス。



あぁ、もう終わっちゃう。


次に会えるのは、また明日。




電車がホームに入ってきた。



明日、会えるかな。



会いたいな。



そんな寂しいような、ワクワクしたような、なんとも言えない心のまま電車に乗り込む。



最後にひと目だけ。




そう思って振り返った先には、やっぱり無邪気爽やかに笑う彼がいた。




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