キラキラDAYS
「夜1人で歩くなんて危ないだろっ。家着くまで絶対切るなよ」
切るなって、そういう意味で…。
「私、大丈夫だよ?家までそんなに遠くないし、私みたいな子なんて誰も連れてかないよ」
そんな人がいたら、きっとその人は物好きだね。
「それに綺羅くん疲れて…」
「妃那は何も分かってない……」
分かってない?
それは、どういう意味?
「とにかく、俺が心配なんだよ。だから切るなよ」
「うん…分かった」
綺羅くんって、本当に優しいよね。
でも、それは私にだけじゃなくて、他の女の子にも優しいんだろうな。
そんな綺羅くんが好きだけど、他の子にも優しくしてるって思うと、嫌な気持ちになる。
完璧な嫉妬。
彼女でもないのに。
最初は、話せるだけで充分だったのに。
どんどん欲張りになるから。
「妃那?」
「ううん、なんでもないよ」
この優しさが、私だけに向けられたらいいのに、なんて。
図々しいって、分かってる。
彼女でもない私が望んでいいものじゃないってことも分かってる。
でも、綺羅くんが他の子に優しくしてると思うだけで、胸が苦しくなるんだ。