キラキラDAYS
学校までは電車で15分。
その間に彼のことを考えた。
彼を最初に見たのは、高校生活が始まってまだ二日目の朝。
初日に提出しなければならなかった書類を出し忘れてしまい、私はなるべく早く提出しようと思っていつもより早く家を出た。
早すぎたと思ったけれど、家を出てきてしまった以上後戻りするのは面倒。
だから丁度あった電車に乗ろうとホームに向かった。
そこで、彼に会ったんだ。
携帯を操作して下を見ていた顔を何気無くあげた瞬間、私の体は電気が走ったような感覚に襲われた。
私の視界に入ったのは、友達と楽しそうに笑う彼の姿。
友達の頭をツッコミを入れるように叩いたり、じゃれあったりする彼から目が離せなくなってしまった。
一目惚れ、だったと思う。
それからというもの、私は彼と同じ時間の電車に乗るようになった。
いつも楽しそうに笑いあっているけれど、その声はこっちには聞こえてこない。
きっと、周りの人のことも考えてるんだ。
さすが運動部。
そういうところはちゃんとしてる。
けど、私は少しでも彼の声が聞いてみたいな…なんて。
わがままだよね。