キラキラDAYS


同じ方向の電車なら、もっと長く彼を見ていられるのに。

そんなことも考えた。




あなたは、どんな声で笑っているの?

どんな姿でサッカーをしているの?




名前は?


学年は?




知りたいことは沢山ある。


けれど、線路という壁が邪魔をする。



近づきたいのに、近づけない。




私は彼の存在を知っているけど、彼は私を知らない。




せめて、一瞬でもいいから。


ほんの一瞬だけでいいから、彼の目に映りたいと思う私は、やっぱりおかしいかな。




彼のことばかり考えてるうちに、学校のある駅に着いた。



学校までは歩いて5分と近いから、あっという間に着いた。



教室に入っても、いつも誰もいない。



そうだよね、だってまだ7時前だもん。



8時40分までに登校していればいいのだから、こんなに早く来る人なんていない。


私は自分の席に座って、数学の教科書とノートを取り出した。


彼と同じ時間の電車に乗るようになってから、毎朝こうして予習や復習をするのが日課になった。



早く来すぎてもやることがないからと、こうして勉強するようになったおかげか、この間の軽い抜き打ちテストで満点を取ることができた。



彼にも会えて、勉強をする時間も取れる。


今の私の生活は、とても充実しているかもしれない。




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