あたし、ぶりっ子始めます




「待たせてごめん。」


あたしが部屋に入ると、結城があたしに近づいてきた。
後ずさりしようにも後ろは壁で、できるわけがない。


「…なぁ。」


「な、なに?」


結城の顔は、あと少しでキスできる距離にある。
なに、このやばい状況。


「あの人、誰?」


「あの人って…?」


「さっきの男。」



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