あたし、ぶりっ子始めます
「うるさいなぁ、咲空は。」
「うるさいのはお前だ。
ほら、早く出ろ。」
「えー、やだよぉ。」
咲空兄が部屋から出そうと頑張るけど、奈々姉は出る気は全くないらしい。
「この前言ってたクレープ買おうと思ったのに、出ないならいいや。」
「あーっ!行く!
じゃ、そういうことだから、またあとでね。
純希くんもまた今度!」
「はい。」
「はいはい。
ありがとね、咲空兄。」
「ああ。邪魔して悪かった。」
咲空兄は奈々姉と部屋を出て、静かに扉を閉めた。