NEWMOON〜君と僕の逢瀬〜
人が急に多くなる。
「わっ!」
ガヤガヤとお参りの人でごった返す。

灯子さんがどこかに消えてしまった。
「灯子さん! 灯子さーん!」

ひとりぼっちになり不安になる。
まだ幼い大悟にとって、ひとりぼっちでいるのは心細く、泣き出したいくらいに孤独だった。
そして、こういうときに限り神様たちは話しかけない。
「迷子?」
同い年くらいの知らない女の子に声をかけられた。
栗色の柔らかそうな髪、はちみつ色の瞳。
外国人かな?
でも日本語喋ってるし顔も外国の人って感じがしない。
不思議な子。
「お母さんと来たの?」
「ううん。灯子さんと来た」
「とうこさんって誰?」
「僕の運命の人」
それを聞いて、女の子はポッと赤くなった。
「運命の人か。おとぎ話みたい。じゃあ、その子はお姫様?」
「そんなもんかな」
確かに灯子さんはお姫様みたいなものだ。
本家の人だから。
「大変だね。今、悪いやつに捕まってるかも」
「灯子さんに限ってそれはない」
だけど……

『灯子を制御できるのはお前だけだ』
『何かあったらお前が守らなきゃいけないんだぞ』

「探しに行く」


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