キングとナイト
「お待たせしました」

夷隅は、紅茶とクッキーを俺の前に置いた。

「会長。あの…」

夷隅は何か言い難そうに口を開いた。

「両親の事、なんですけど。いつか、絶対に言いますから、それまで待ってくれませんか?」

俺の顔を真っ直ぐに見て、そう言う夷隅。

「……約束な? いつか、話せよ?」

俺がそう言うと、夷隅はニッコリ笑って、

「ありがとうございます!」

と言った。





それから、お茶を飲んだり、夷隅と夕飯を食べたりしていて、8時近くになってしまった。

「そろそろ帰るわ〜」

俺がそう言った時、家のチャイムがなった。


〜零Side 完〜
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