キングとナイト
弥生っ……!

私はそれを聞いて、教室を飛び出した。




弥生を探し始めて、15分程経った。弥生は全く見つからない。

「だから、ウザイって言ってんの!」

「てか、弥生って。土器づくりでもしててくださ〜い」

「アハハハハハ!」

空き教室から、そんな声が聞こえた。

「弥生!!」

私は、ドアを開けて中に入った。

「アレ、クイーンじゃん」

「何、いじめにきたの?」

中には、座り込んでいる弥生とそれを囲む8人の女がいた。

「………魅夜?」

顔を上げた弥生は、涙いていた。

沸き上がる、怒り。

「……どっか、行って」

その怒りは、私を惑わすのにはちょうどよかった。
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