キングとナイト
「魅夜!」

それでも、魅夜の腕を掴んで止めようとする。

「邪魔するなと言っている!」

魅夜はそう言って、腹を思い切り蹴ってきた。

でも、一応俺、魅夜の先輩ですから……。

俺はそれを腕でガードすると、魅夜の鳩尾を殴った。

魅夜の体が、倒れ込む。俺は、それを支えてやる。

「……馬鹿野郎」

気を失っている魅夜の耳元でそう言った。





「西宮先輩。魅夜どうしちゃったんですか?」

気を失った魅夜を保健室に運んでいる時に弥生ちゃんが聞いてきた。

「……コイツさぁ、中学の時いじめられてたんだよ。でも、そんなのコイツ気にしなかったんだよ」
< 110 / 281 >

この作品をシェア

pagetop