キングとナイト
綺麗な顔だなぁと今更だが、思う。

そんな事を思うと同時に私の心臓はドキドキと高鳴っていた。

「……夷隅」

会長はそう言って、顔を近づけてきた。

「えっ、ちょ、会長っ!!?」

何が何だか解らなくて、私はオロオロする。

しかし、会長は止まらない。
駄目だと思い、ギュッと目をつぶる。

「ゴミ、ついてるぞ」

「へっ……?」

そんな会長の言葉に拍子抜けする。

「顔真っ赤だけど、大丈夫か?」

私の顔についていたゴミを取りながら、会長が言った。

「な、何でもないです…」

恥ずかしいく思いながら、顔を背ける。




「じゃ、俺も帰るわ」

それからしばらくと話して、会長は帰って行った。
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