キングとナイト
ドアを開けたら、真っ暗だった。

しかし、次の瞬間、パンッパンッとクラッカーの鳴る音が響いた。

「「HAPPY BIRTHDAY、魅夜!!」」

その声と共に、室内が明るくなる。

中央にある、テーブルには『HAPPY BIRTHDAY 魅夜』と大きく書かれた、ケーキが置いてあった。
その回りには、先輩たちが立っていた。

「お前、今日誕生日だったよな!」

ニッコリと笑いながら連夜先輩は言った。

7月8日。今日は私の誕生日だった。すっかり、忘れていた。
理事長との事で頭がいっぱいだったから。

なにもこんな日にっ……!!!

と思ったが、もう遅い。

私は涙を堪え、近づいて来る連夜先輩を思いきり、睨みつけた。
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