キングとナイト
鼎先輩と言い合っていると、会長が近づいて来て、鼎先輩の腕を掴んで、私の首元から取った。

「……それが、お前の本音か?」

静かにそう言って、私を見据える会長の目は今まで見た事がない程、冷たかった。

泣きたい気持ちを抑え、私も会長を睨みつけた。

「そうです」

静かにそう言うと、

「そうか、悪かったな。今まで付き合わせて。明日から、来なくていいぞ」

胸がはち切れそうだった。覚悟を決めた筈だったのに、辛くて辛くて仕方なかった。

「失礼します」

私はペコリと頭を下げて、生徒会室を飛び出した。
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