キングとナイト
家に着いた途端、私は玄関で崩れ落ちた。

「…ごめんなさいっ……!」

何回もそう言って、私は泣き続けた。


笑った会長の顔が浮かんでは消えていった。


私の事を信じて、過去の事を話してくれたのに……。

裏切って、傷つけて、ごめんなさい。


好きになってしまってごめんなさい……。






裏切りの代償は、先輩たちの信頼と会長に対する、恋心だった。


その日、私は夜が明けるまで泣き続けた。
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