キングとナイト
それ以上、話を聞いていたくなくて、俺は屋上を後にした。







でも、夷隅と兼田の話がその後もずっと気になっていた。






「…夷隅?」

放課後。帰ろうとした時、夷隅が特別塔の方に向かって歩いて行くのを見かけた。

『俺が、理事長の話に乗らなければ……』

先程の話が気になった俺は、夷隅をつけてみる事にした。




「……失礼します」

夷隅はそう言って、理事長室に入って行った。




……夷隅は親父と何かがあったのか?

俺は、ドアに耳を近づけて夷隅たちの会話に耳をすませた。



「ちゃんとやってくれたみたいだね」

最初に聞こえて来たのは、親父の声だった。
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