キングとナイト
その後も、親父は俺に謝り続けた。

そんな親父に、俺は、ChessGaugeを辞めてくれないか? と、言ってみた。

すると、

「イイゾ。実は、最近、ChessGaugeに飽きて来てな。それに、年々、入学者が少なくなっている」

すんなり、辞めてくれた。

てか、飽きるぐらいなら、最初からやるなっての……。

「なぁ、親父。 なんで、夷隅にあんな事をさせたんだよ?」

俺が、一番気になっていた事だった。

「……怖かったんだ。夷隅君と一緒に居たら、お前まで消えてしまいそうで……」

そうだったのか……。 だけど、

「夷隅だって、そんな事やりたくなかったんだからな! 二度と、やらせるなよ?」

理由が、くだらな過ぎる……。

でも、これが親父なりの、優しさなのかも知れない。
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