キングとナイト

『近いうちに迎えに行く』


それが、相楽さんの言っていた、あの人の伝言らしい。


「…まだ、貴方に許されていなかったんだな」

私は、学校の正門で暫く、止まっていた。

まだ、相楽さんの言った事が耳に残っていて、とても帰る気にはならなかった。





〜連夜Side〜

「ジジィめ……」

放課後、担任のジジィに呼び出されて、帰りが遅くなってしまった。

せっかく、魅夜と帰るつもりだったのに………。


そう思って、正門を出ると固まっている魅夜を見つけた。

「魅夜? どうした?」

ポンッと魅夜の肩に手を置いた。

すると、魅夜が小さくだがビクッとなったのがわかった。
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