キングとナイト
相楽さんだ……。

「ありがとうございます、会長」

今、此処で開ける訳にもいかず。茶封筒は、鞄にしまった。

「んじゃ、帰るか」

会長のその言葉と共に私は、歩き出した。




「じゃあ、会長。また、明日」

会長にそう言って、家に入ろうとした。

「気付かないとでも、思ったのかよ……」

会長の小さな呟きが聞こえ、次の瞬間、私は会長の腕の中にいた。

「会、長…?」

心拍数が上がる。

「……話せよ」

会長の声が、耳に響く。

「お前が溜めてる事、全部話せ」

会長の腕の力が強くなる。

「な、にを言ってるんですか?」
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