キングとナイト
「悪い、魅夜! 遅れた!」

暫くすると、連夜先輩が凄い勢いで教室に入ってきた。

「大丈夫ですよ。そんなに急がなくても……」

変わってないなぁ、連夜先輩は……。
この先輩にどれだけ、助けられたことか…。

「なぁ、魅夜。お前、もう大丈夫なのか?」

ドキリとした。

「…大丈夫です。あの人は毎月お金を送ってくれてるので」

目を伏せて話すと、連夜先輩は私の頭をぽんぽんて軽く叩いた。

「溜めすぎるなよな? いつでも、相談にのるから」

「はい……!」

そう言って、私たちは笑いあった。
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