キングとナイト
私がそう言うと、早紀は眉間に皺を寄せて、

「もしかして、隠された?」

と図太い声で言った。

「そうっぽい」

私がそう応えると、

「絶対、関川だって!! 昨日、変な事言ってたもん」

今にもつかみ掛かりそうな勢いで、早紀が言った。

「そーかもしれないね…」

だけど……、

「証拠がない」

証拠が無ければ、言い反されるだけだ。

「…魅夜、お父さんの事ばらしちゃえばいいのに。そうしたら、誰も、魅夜に嫌がらせなんてしないよ?」

と、早紀が言った。

そう。早紀が言うように私は榊原 魁の一人娘だと言うことを学校に隠している。
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