キングとナイト
ガラガラと、ドアが開く音がして私は振り返った。
そこには、早紀のお父さんがいた。

「早紀……」

おじさんは、早紀に近づくと顔を歪めた。

「………れないか……」

「えっ?」

おじさんは、何かを言ったのだが聞き取れなかった。

「出て行ってくれないか」

と、おじさんは言った。

「あなた…!!」

おばさんはおじさんを止めようと近づく。

「下で、聞いた。早紀のことを殴っていた連中は“榊原なんかと一緒にいるからこうなるんだよ”と言いながら、早紀を殴っていたそうだ」

おじさんは私を睨みながら、

「もう、私の娘と係わるな!!」

と言った。

私は、唇をさっきよりも強く噛み締め、

「失礼しますっ…」

と言って、病室を出た。
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