キングとナイト
私はそのまま、病院を出た。外は、雨が降っていて私の身体中を濡らした。

近くの公園に来た私は、ブランコに座った。



「っ……うっ…」

涙が溢れて止まらなかった。

どうして、早紀が…。私じゃ無くて、早紀が傷つかなきゃいけなかったんだ……っ。

「ゴメン……っ、ごめんねぇっ、早紀…!!」

もう、貴女に会うことすら出来ないよ。逢わせる顔がない。


「あれぇ、やっぱり魅夜だ」

聞き慣れた声に顔をあげると、連夜先輩がいた。

「え゙っ! どうしたんだ、魅夜!?」

泣いている私に、あたふたしながら連夜先輩は私が濡れないように傘の中に入れてくれた。
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