キングとナイト
目を覚まして、最初に見たのは白い天井だった。
薬品の臭いが鼻をつく。
それで病院だとわかった。
私は、何故こんなところで寝ているんだろう。記憶を辿る。


………私、死んでない。それに、大怪我もしてない。小さいかすり傷がちらほらあるだけ。

なんで、死んでないの……? 無事で済む筈がないのに。

「魅夜様、目が覚めたのですね」

そう言って、入ってきたのは相楽さんだった。

「相楽さん。何で私、死んでないんですか?」

私が聞くと、相楽さんは目を逸らした。

「歩けますね? ついてきてください」

私はベットから降りて、相楽さんの後に続いた。
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