キングとナイト
「真奈……っ!」

この時、初めて父さんの涙をみた。

父さんを泣かせる程追い詰めたのは私。母さんを殺したのも私。

全部、私が原因だ。




数日後。
母さんの葬儀が行われた。
父さんとは、あれから一言も喋っていない。
いっそ、酷い言い方をして責めて欲しかった。

でも、父さんはそうはしないで私を避けるようになった。

“お前なんか、いらない”
と言われているみたいだった。




そして父さんは、家を出て行った。私は、あの広い家で一人で住む事になった。
毎月、相楽さんがきてお金を渡される。それは父さんからで、それで生活しろと言われているようだった。
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