キングとナイト
その日は、連夜先輩に調子が悪いと言って早めに上がった。

連夜先輩は『ゆっくり休めよ』と疑う事なく、私を帰してくれた。


本当は会長に会いたくなかっただけ。会長の顔を見たら、泣いてしまいそうだったから。


駄目だなぁ、私。自惚れてたのかもしれない。
会長が優しいから。私にだけ優しい訳じゃないのに…。

そう思いながら校門をでた。


「魅夜様」

そう呼ばれて振り返ると、相楽さんがいた。

「どうしたんですか?」

「予定より少し早いんですが、お迎えにあがりました」

なっ…!!?

どうして!?まだ、夏休みには入ってない。
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