キングとナイト
「!?」

いきなり、本宅に連れて来られるとは思っていなかった。

「今から、魁様の元へお連れします。ついて来て下さい」

私は顔を歪めたが、おとなしく付いて行く事にした。





「失礼します」

一際大きい扉の前で相楽さんはそう言って、扉を開けた。

「魅夜様をお連れいたしました」

相楽さんはそう言いながら、頭を下げた。

「ご苦労。さがれ」

久しぶりに聞く、父の声。心臓が激しく、動き出す。


「久々だな……」

最初に口を開いたのは父だった。

「そう、ですね……」

他人事のよう。会話が続かない。
< 205 / 281 >

この作品をシェア

pagetop