キングとナイト
「何で、今更、私を此処に?」

私は俯きながら、そう言った。
父の顔を見られない。


「…………。さがりなさい」

父は私の問いには答えてくれなかった。

「……失礼します」

その場に居たく無かった私は、直ぐに部屋を出た。



「待て」

部屋を出て直ぐに、声をかけられた。

「…?」

振り返ると、短髪のかなり背の高い人がいた。

「部屋、わからねぇだろ。付いてこい」

短髪の人はそう言って歩き出した。
私は、その人の後に続いた。



「此処。覚えただろ?」

「はい。ありがとうございました」

部屋の前に付いて、私は短髪の人に頭を下げた。
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