キングとナイト
「お前ら、お嬢様の友人だろ?ついて来い。部屋に案内してやる」

咲也さんはそう言って、スタスタと歩き出した。

「魅夜の親父さんに会わせるなって言われてるんじゃないんですか?」

…あ。全然、忘れてた。
連夜が言って気付いた。

「言われてはいるが、従うつもりなんざねぇよ。気にくわねぇしな」

…やっぱりこの人、カッコイイ。





「此処だ」

咲也さんはそう言って、ある部屋の前で止まった。

「お前らが本当にお嬢様を大切に思ってると思うから、案内したんだ。お嬢様を裏切ったりしたら……、解るよな?」

咲也さんの言葉に俺たちは頷いた。

「よし」

咲也はニッコリ笑うと、扉を開けた。
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