キングとナイト
「早紀が私に近づいたのは、本心じゃなかったかもしれない。だけど、私は嬉しかったよ。早紀と友達になれて。だから……」

もう、過去にこだわるのは辞めよう。

今の私には、会長や連夜先輩。生徒会のみんな。弥生に流がいる。
仲直り出来た、父さんに相楽さん。新しく知り合った南さん。

私を支えてくれる人たちがいる。


「私と友達になってくれてありがとう」

今だからこそ、早紀に言える。



「ほら、行きますよ。会長、連夜先輩」

立ち尽くす早紀をその場に残して、私たちは家路についた。

「魅夜、よく言った」

「頑張ったな…」

会長と連夜先輩は微笑みながら、私に言ってくれた。

不覚にも、ドキッとしてしまった……!
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