キングとナイト
弥生の言葉に私は頷いた。


「夷隅さーん。これ、着てみてくれない?」

文化祭が3日後に迫り、今日は衣装合わせをすることになった。

私が手渡されたのは、相楽さんや南さんが着ているような執事服。

「そういや、魅夜は男装すんだっけ?」

横から口を出して来るのは、流。

「うん。流は?」

「俺も執事服」

一緒かよ。

私と流は顔を見合わせて笑った。




「魅夜、どーお?」

今、空き教室を使って着替えています。

「いいよ。サイズはピッタリ」

そう言って、閉めていたカーテンを開ける。

「………」

弥生は目を見開いたまま、何も言わない。
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